凸凹(でこぼこ)な毎日。

あせくせ働く。

電子図書にかかる莫大な費用を軽減するには。

図書館の話です。

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http://www.jla.or.jp/Portals/0/data/iinkai/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/2013_p29.pdf(『日本の図書館 統計と名簿』抜粋)

グラフをみてみると、11年間、公共図書館*1の数は年々増加しています。しかし、資料費は年々減っている。

その背景について、文科省は、

地方公共団体については,地方分権の推進に伴い,市町村合併三位一体の改革地方交付税の改革,国庫補助金・負担金の見直し,国から地方への税源移譲)が進められている。国などの関与の減少や自主財源の確立などにより,独自の政策立案・遂行能力が求められるが,現実には,長期化する財政難により,従来の施策が廃止・縮小されることも多い。

社会の変化と図書館の現状:文部科学省

と挙げています。さらに、松本直樹さんの『公立図書館経費の経時分析』にわかりやすいまとめがあります。

・図書館費に占める設置自治体の支出割合は一貫して高い。

・地方債に依存する傾向が強まっている。

図書館界で頻繁に議論されてきた補助金に関しては、平均して図書館費の2%程度と非常に少額である。

・他の社会教育関連施設と比較すると経費全体に占める補助率は低い。*2

 『公立図書館経費の経時分析』

とあるように、図書館費は設置自治体の支出が中心であり、特に地方債に依存している傾向が強いことから、地方自治体は自分たちで財源を確保していきたいので、図書館に関わる費用を下げたい、というのがあるといえます。

例えば、

といった工夫はそういったことを踏まえたことだといえます。

図書館費の中心は「資料費」

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http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/about%20us/pdf/25P1karaP35.pdf の「決算」(p.11)よりグラフを作成してます。

グラフは東京都立図書館の平成25年度の決算の内訳ですが、最も多くかかっているのが「資料収集・整理」つまり資料費なわけです。確かに、多くの利用者は図書資料を読むためだとか、借りるためだとか、といったものではないかと思います。少なくとも、図書館と聞いて、図書が「ない」ところをイメージする人は少ないのではないかと思います。

電子図書は費用がかかる!

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千代田Web図書館といったところが電子図書の貸出を行っていますが、おそらく、今後、タブレット端末がより普及していくだろうことを考えると電子図書はもっと利用されていくのではないかと思います。日本の多くの図書館は中小規模の図書館なので、電子図書が利用できれば物理的なスペースを省くことができるといったメリットもありそうです。

しかし、そうもいかないようです。

(7)価格メリットのなさ紙書籍よりも割高な費用のため、紙書籍のみで蔵書構成する場合よりも提供冊数は減少する。購入費のほかに、継続的なサーバ維持費が必要な場合があり、低迷する資料費がさらに圧迫される

CA1773 - 動向レビュー:日本の公共図書館の電子書籍サービス-日米比較を通した検証- / 森山光良 | カレントアウェアネス・ポータル

とあるように、資料費がさらに増してしまうことになります。青空文庫のように、無料で読めるところもありますが、著作権が消滅したもの、その許可を得たものに限られるので、そうでないものは当然、費用がかかってしまいます。

資料費のために、企業に場所を貸して場所代を利用する。

すでに図書館のなかに、カフェやレストランが併設されているところはあります。例えば、プロントがオープンしたところで、千代田区立日比谷図書文化館があります。

カフェは本屋と併設されることも珍しくなくなったので、図書館でも違和感がないですが、こういった企業に対して図書館が場所を提供していくとよいのではないかと思います。

ひとつの例として、

 といったこともよいのではないでしょうか。

まとめます。

  • 図書館の資料費は年々減っている。
  • 今後、多く利用されるだろう電子図書の費用は高い。
  • 企業に場所を貸して、もっと場所代を活用していく。

*1:主に都道府県や市町村立の図書館で、公立図書館だが、民間でも公共性を確保しているものがある。大学図書館などは含まれない。

*2:東京大学大学院教育学研究科紀要 第47巻 2007 p.372