凸凹(でこぼこ)な毎日。

あせくせ働く。

古典から学ぶ「食後にお茶を飲むだけ」健康法

少し勉強と思って、ある本を読んでいたらおもしろいことが書かれていたので、そのことについてレポートしたいと思います。

栄西 喫茶養生記 (講談社学術文庫)

栄西 喫茶養生記 (講談社学術文庫)

「栄西」と聞いて知っているという人もいるかもしれません。鎌倉時代に活躍したお坊さんで、日本史の授業では必ず出てくる人物のひとりです。栄西以前にもお茶は日本に伝わっていましたが、今日も飲まれている有名な「宇治茶」などのお茶のルーツを探ると、栄西が当時の中国「宋」からお茶を持って帰ったものに行き着くようです。

「二日酔い」にはお茶が効く?

栄西とお茶にまつわるエピソードに次のような話があります。

将軍家聊か御病悩。諸人奔走す。但し殊なる御事無し。これ若しくは去る夜御淵酔の余気か。爰に葉上僧正御加持に候するの処、この事を聞き、良薬と称し、本寺より茶一盞を召し進す。而るに一巻の書を相副えこれを献らしむ。茶の徳を誉める所の書なり。将軍家御感悦に及ぶと。去る月の比、坐禅の余暇にこの抄を書き出すの由これを申す。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~micro-8/toshio/azuma/121402.html

これは『吾妻鏡』の建保2年2月4日の記述で、当時の将軍源実朝が葉上僧正つまり栄西に祈祷で二日酔いを治してもらおうと頼んだところ、栄西はお茶を勧めたという話です。

当時、お茶は薬として扱われていて扱われていたようで、栄西は「宋」で学んだお茶の効能について日本に伝えることで病気を治そうとしたわけです。ちなみに、お坊さんの間では座禅をくんで修行する際に、濃いお茶を飲んで「眠気覚まし」にしていたという話もあります。

『喫茶養生記』から学ぶお茶の効能

先に引用した『吾妻鏡』にある「一巻の書」というのが、一般的な説として『喫茶養生記』の一巻にあたるそうです。そこに書かれているお茶の効能は、

  • 二日酔い*1
  • 眠気*2
  • 消化不良*3
  • 気分の低調*4

に効くなどが挙げられています。さて本題です。

「で、本当に効くの?」

伊東園のサイト「お茶百科」には次のようなことが書かれています。

仕事や勉強などで疲れたときにお茶を飲むと、気分転換ができてリフレッシュされます。
これは、お茶に含まれるカフェインの特性が作用しているのです。

カフェインの主な作用として、覚醒作用・利尿作用などが挙げられます。
カフェインは、脳の中枢神経に興奮的に作用(覚醒作用)するため、眠気を防いで知的作業能力を向上させたり運動能力を向上させたりする効果があります。また、カフェインを摂取して適度な運動を行うと、筋肉中の栄養源(ブドウ糖=グリコーゲン)よりも先に、脂肪をエネルギー源として利用する現象がみられ、持久力の向上に役立ちます。さらに、お茶は二日酔いにも効果があるといわれますが、これもカフェインの働きによってアルコールの代謝が高められるためです。

お茶に含まれる「カフェイン」が「二日酔い」「気分の低調」「眠気」に効くことがわかります。

「消化不良」はどうでしょう。

適量のタンニン、カフェインは胃の細胞(壁細胞や主細胞など)を刺激して胃液の分泌を促し、食物の消化を助けますが、胃の粘膜を荒し消化液の分泌を妨げ、消化不良を起こして、胃腸の弱い人は、吐き気や下痢を起こす場合があります。

http://www.ohtori.com/page1-4.html#kafein

確かに、消化不良に効果はあるようですが胃液の分泌を促してくれる分、空腹時には胃を荒らしてしまうこともあるので、空腹時やもともと胃腸の弱い方は飲みすぎに気をつけたほうがよいようです。

以上では、お茶に含まれる多くの「カフェイン」によって効果があらわれるようです。そうなると、別にお茶じゃなくてもコーヒーだとか紅茶でもいいということになりますが、お茶は「カフェイン」だけではありません。

お茶の苦味(渋味)と「カテキン

もう一度『喫茶養生記』に戻ります。

茶は是れ苦みの上首なり。苦味は是れ諸味の上首なり。是に因って心臓、此の味を愛す。

少しわかりにくい表現をしていますが、味と臓器が繋がっているという考え方のようで、

  • 肝臓は酸味を好む
  • 肺臓は辛味を好む
  • 心臓は苦味を好む
  • 脾臓は甘味を好む
  • 肝臓は塩味を好む

とされています。五臓のうちで最も重要な臓器は心臓で、五味のうち最も重要なものはそれに関わる「苦味」です。
こういった関係は現在では考えられていないと思うのですが、ここで重要なことはお茶の「苦味」に注目しているところです。

お茶の「苦味」は所謂「渋味」であり、お茶の特徴です。「お茶百科」によると、

お茶の渋みは、ポリフェノールの一種であるカテキンが主成分。

カテキンは、ポリフェノールの一種で、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。カテキンの語源は、インド産のアカシア・カテキュー(マメ科アカシア属の低木)の樹液から採れる“カテキュー”に由来しています。

とあり「カテキン」(よく耳にしますね!)が原因であることがわかります。

この「カテキン」がコーヒーや紅茶と違うところです。そしてこの「カテキン」効果がすごい。

  • 血中コレステロールの低下
  • 体脂肪低下作用(脂肪の吸収を抑える)
  • がん予防
  • 抗酸化作用(活性酸素を消去し老化を防ぐ)
  • 虫歯予防、抗菌作用

(「お茶百科」より)

所謂「生活習慣病」に効果と思われるので働いている方にはおススメということがわかります。

お茶は「食後」に飲む!

最後になりますが、お茶を飲むタイミングについてです。
あまり意識はしていませんが、よく外食をすると食後にお茶を出してくれます。実はこれまでの話をみていくと、とても健康維持によいことがわかります。

  • 胃液の分泌を促し消化を促進してくれる
  • 食後の眠気を防いでくれる
  • 脂肪の吸収を抑える
  • 虫歯予防
  • 生活習慣病に効果がある

昼食、夕食、夜食後の一杯をお茶にすることで、勉強、仕事の能率がアップすると思います。

*1:例えば「広雅に曰く、『其の茶を飲むは、酒を醒まし、人をして眠らざらしむ』と。」

*2:同上。

*3:例えば「『茶の味は甘く苦く、微寒にして毒無し。服すれば、即ち瘻瘡無きなり。小便は利に、唾は少くし、疾渇を去り、宿食を消す。一切の病は宿食より発す』と。」

*4:例えば「華他の食論に曰く、『茶を久しく食するときは即ち意思を益す』と。」